Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

八

平次は改めてお静の顔を見ました。

「女から見ると、あんな人は本当に底が知れないと思います」

「それだけか」

「え」

お静は極り悪そうに俯向きました。言わでものことを言ったと思ったのでしょう。

「そいつはお前のカンだ、大きに役に立つだろうよ。八、行こうか」

八

大黒屋へ行くと、また一つの騒ぎが始まっておりました。お徳が出かけて間もなく、手代の福三郎は七顛八倒の苦しみを始め、

「俺が悪かった、――俺が悪かった」

と言い続けて死んでしまったのです。

町内の本道(内科医)を呼んで見せると、岩見銀山の鼠捕りで死んだと判りましたが、食い物は店中同じですから、何か理由があって毒を飲んで自害したと見るの他はありません。

その騒ぎの中に、何心なく帰ったお徳の歎きは、本当に見る眼も哀れでした。

「あ、福三郎さん、何だって死んでしまったの、私にそう言ってくれれば、一緒に死んだのに」

猛毒に痙攣して、醜く歪んだ福三郎の死骸に縋り付いたまま、お徳は日頃の気丈さも振り捨てて、真に身も浮くばかり泣き濡れましたが、やがて、刃物を持出して、やにわに自分の喉笛へ突っ立てようとするのです。

多勢寄って刃物をもぎ取ると、死にたい死にたいと暴れ狂うお徳を押え付け、とうとう紐や帯でグルグル巻きにしてしまいました。