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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

荒縄に縛り上げられて、濡れた処女の肉身が、ヒクヒクと痙攣する様は、艶かしくも痛ましいものでしたが、五十男の慾の深そうな滝三郎には、そんな情緒が動きそうもありません。

五六杯浴びせると滝三郎は、疲れを休めるともなく、流しの上に立って、娘の顔を覗きました。

「どうだ浪江、今度は痛い目に逢うぞ」

なるほど、予て用意をしたものか、後ろ腰から馬の鞭を抜いて、後ろ手に構えております。

これほどの騒ぎにも、奉公人一人顔を出さないのは、多少言い含められているのでしょう、桜の下は苦悩に喘ぐ娘の泣き声ばかり、町内にお化け騒ぎをさせたうら悲しさで、夜の空気に断続しております。

「浪江、まだ承知せぬな、しぶとい女だ」

滝三郎の手には、高々と鞭が光りました。

「あッ」

一つ、二つ、処女の肉に小気味よく鳴ると、それを切っかけのように、

「父上、しばらく」

庭木戸を押し開いて飛出した者があります。田舎芝居の二枚目といった、顔も、身体も、瓢箪型の男、バタバタと庭下駄の音をさせて、井戸端へ飛付くと娘を後ろ身にかこって、立ち塞がりました。

言うまでもなく、滝三郎の一子文五郎、妙に芝居染みますが留め男振りは、とにかくすっかり板に付きます。