Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あめのたまがわしんじゅう

雨の玉川心中

山崎 富栄

Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

「あれ誰?」

「……」

「女のひとと歩いてたでしょう? あなた方は気がつかなかったようですけど……」

ああ、神様!

「ブロバリンを二十錠のんでも寝られないんだ。どきっとして、歩かないよって言っちゃったんだよ。そのとき、死んじゃおうかと思ったね。二人とも近眼だしねえ」

と仰言る。

「あら、ごめんなさい。どうしたらいいかしら……。お怒りになったでしょうねえ、悪いわ」

私の方でうまく避けようと思っていたのに、なんにもならなくなってしまった。スムースにいってくれればいいけど……。

「夕べ、気まづくてね、今朝もいけねえんだ」

今日は、もう、じっとして落ち着いてなどいられない。修治さんは、ウィスキーの残りと、鱈を持って帰られる。いつもと違う道を通って御送りする。

神様、一体どうしたらよろしいのでしょう。私は太宰治という人を知らなかったんですもの。知っていたのは、津島修治であって、その頃は、御家族をもっていられることも、なんにも知らなかったんです。愛してしまってから、はじめて奥様や、お子様のおありになることを存じ上げたので、そのときはもう、私は自分の愛情を抑えられなかったのですもの。