Japanische Klassiker mit Furigana
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あめのたまがわしんじゅう
雨の玉川心中
山崎 富栄
Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme
八月二十二日
ああ、もう横におなりだったのかと、ホッとする。
最初は園子ちゃんで救われたけれど、二度目は太宰さんが何となくお可哀想になってきて胸が塞がる。
悪いけど、私も奥様は怖い。初めての日の夜――“こわいんだ、僕はこわいんですよ。救ってくれ”と仰言ったお言葉を思い起こす。不幸な家庭。奥様って、女学校の先生のような感じのするお方だと思った。
御免なさい。奥様。こんな浅ましいことなどして、私は……。
八月二十二日
宮崎さん、北山さん、別所さんお見えになる。二十日ひる。石井さんを御案内して、御一緒に西山方へ伺ってから泊り、二十一日も、“泊ろうよ”“ええ、泊りましょう”と居つづけたら、夕方野原さんがみえた。その前に、“野原が今ここへきても僕は驚かないね”などとお話していたやさきのこととて。三人で泊る。
「サッちゃんて言わなかったね、野原は」
「泊るなら飲みますなんて言ったね、あいつ」
――あまりお体の御様子が快くはいらっしゃらないけど、私にはどうしようもないんですもの。
「君が悪いんだよ。いなかったんだもの。やけくそだったんだ。吉祥寺でウィスキーを一本飲んじゃってね」
だからいないと心配なの。