Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あめのたまがわしんじゅう

雨の玉川心中

山崎 富栄

Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

五月三十日

六月三日

幸せなんだ。

貴女、偉いね。

偉くなんかないわよ。当り前のことよ。ノスタルジャーがあるというのかしら。

あれを分かる人というのはいないんだ。

あら、何処かには、きっといてよ。そう信じて生きなければ余りにも寂しいじゃありませんか、ねえ、そうでしょう。

さあさあ、飲みましょうよ。

――サッちゃん、大いに酔う。

五月三十日

岡本佳子さん、兄上の御結婚式のため、着付に来る。美しい和服を脱がせて、私の洋服と更え、七輪の火を起こしてもらう。

朝食を御一緒にしながら語る。やはり悩みをもっていると、つい、お互いに話したくなってくるものなのだろう。佳子さん泣いてくれた。――悲しい人達。

病気になって死にたいと思う。貴女、そう思うことありません?

生きていることが、もう疲れてしまったの。先生と離れて住みたくないため、苦労して。つかの間の幸福というものかしら。

六月三日

日本小説の方達と、私の二階でお話なさる。依然として分からない。ゼスチュアの巧みさ。お仕事から帰ってみると、まだお部屋は温くぬくもっている。千草からお夕食をとりよせて、野原さんと飲む。

ああ、これが、そのまま私達の自然な生活そのものであったならなあと考え、お顔を覗く。