Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あめのたまがわしんじゅう

雨の玉川心中

山崎 富栄

Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

五月二十三日

私ひとりきりなのだ。修治さん、結局は、女は自分が最後の女であれば……と願っているのですね。頬を打ち合い、唇をかみ合い――

和解も喧嘩も最初から私達二人の間にはなかったのね。私はあなたの“乳母の竹”やであり、とみえであり、そして姉にもなり、“サッちゃん”ともなる。離れますものか、私にもプライドがあります。

五月雨が、今日もかなしく、寂しく降っています。

「死のうと思っていた」とお話したら、ひどく叱られた。「ひとりで死ぬなんて! 一緒に行くよ」

五月二十三日

私はあなたの口もとに微笑を

あなたのその眼に意地張りの光を

あなたの胸から出てくる傲慢に気づいている。

だが、私のように

あなたも不運

その口もとには人知れぬ無念さがたたえられ

じっと耐えた涙はひとみの輝きを消し

動悸する胸は痛傷を潜ませて

ひみつ

口をつぐんで

苦痛に耐えつつも

秘密は私たちの

悩める心の底に憩う

たとえ心の中で暴れるとも

揺ぎだすとも

口はいつも閉めてある

ウィスキーを一日一本くらいお飲みになるので心配なのだけれども、お体の方は大丈夫と仰言る。酒とブロバリンで、ここに内泊中(奥様が外泊といわれる由なので、私の方はさしずめ……)は熟睡をなさることのよろこび。