Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あめのたまがわしんじゅう

雨の玉川心中

山崎 富栄

Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

十一月十六日

太宰さん。直接でかえってよかったよ、とほっとされた御様子。

証

太田治子

この子は私の可愛い子で

父をいつでも誇って

育つことを念じている。

昭和二十二年十一月十二日

太宰 治

十一月十六日

伊馬さん、野原さんみえる。

いろいろのことがありました。

泣きました。顔がはれるくらい

泣きました。わびしすぎました。

“サッちゃん、ツラかったかい”

いいえ、そんなお言葉どころではありませんでした。もう、死のうかと思いました。

苦しくッて、悲しくッて、五体の一つ、一つが、何処か、遠くの方へ抜きとられていくみたいでした。ほんとうは、ほんとうは泣くまい、泣くまいと頑張っていたのです。涙を出さないようにと、机の上を拭いてみたり、立ってみたり、縫物を広げてみたり、ほんとうは、そっとして、ふれないでいてほしかったのです。

(注・以下四行抹消されている)

しかも“大事にしてね”“なんでも相談するから”と仰言っていらっしゃったのに。

“修治の治、これは「はる」とも読みますね。治子、この名はどうでしょう”

“サッちゃん、どうだろう”

斜陽の兄君を前にして、“いやです”なんて、申せませんし、このときばかりは、ほんとうに何とも言えない苦しさでした。