Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あめのたまがわしんじゅう

雨の玉川心中

山崎 富栄

Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

十一月十七日

でも泣くまい、そういうことを承知していても、女の心の中の何か別な女の心が涙を湧かせてしまうのです。

泣いたりして、すみません。

“僕達二人は、いい恋人になろうね。死ぬときは、いっしょ、よ。連れていくよ”

“お前に僕の子を産んでもらいたいなあ――”

“修治さん、私達は死ぬのね”(注・二行抹消されている)

“子供を産みたい”

“やっぱり、私は敗け”

(敗けなんて、書きたくないんだけど、修治さん、あなたが書かせたのよ。死にたいくらいのくやしさで、涙が一ぱいです。でも、あなたのために、そして御一緒に――。)

救って下さい。教えて下さい。

主よ、御意ならば我を潔くなし給うを得ん。わが意なり、潔くなれ。

――斜陽の女のかたにひとこと、

“あなたの書簡集はお見事でした”

十一月十七日

太田武氏おみえになる。

(注・「小志」と題した太宰治の随筆の新聞切り抜きと富栄さんのスナップが貼ってある。スナップの遠景には太宰治の姿を思わせるトンビ姿の男がうつっていて、「太宰さんもこんな姿をなさることがある。オヤ、もしかしたら、これは……」と付け書してある)

『天国はよき種を畑にまく人のごとし。