Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あめのたまがわしんじゅう

雨の玉川心中

山崎 富栄

Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

土手の左側を歩いてお帰りになる。お近くまで御見送りする。

十時頃から東京へ出る。久我山に洋服をとりにいく。相変わらずニコニコと忙しそう。背広、ブラウス出来上がっている。大サービスで一千円の仕立代、ちょっとおどろく。いたい。

私の働いていた頃のものは、お客様に使っていたので、そろそろ火の車になってきたわい。

はじめての生活様式なので、さっぱり見当がつかない。

「お金のことはきれいに言ってね」「まだあるの?」などと仰言って下さるけれど、どうも、「もうない、ゲル下さい」なんてことは、中々むずかしくて言えないものですね。

相手の生活や、気持ちを、あまり考えすぎるせいかもしれないけど、私のような、身も心も打ちこんでしまう性格では、大決心しなければ言えない。

丁度まるで、あの背の高い人が日響のドラを叩いたあとの、ハッ! と肩を落として息を出すときみたいな緊張感がある。

独立していた人は、ゲルについてはいえないものだと聞いていたけれど、ほんとうにそういうものの一つがわたしにもあるかもわからない。でも、いよいよ明日は申し上げねばならないわ、きれいに――。

十二月九日