Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あめのたまがわしんじゅう

雨の玉川心中

山崎 富栄

Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

一月十一日

「サッちゃん、頼むよ、僕を頼むよ」

「修治さん、いつでもおそばについております」

「独りで苦しまないで、よろこびも、苦しみも一緒にしたいのです」

「僕を良人だと思ってね」

「そう信じてますわ。信じて生きておりますわ」

「みんなが、僕を、僕を……」

「修治さん、泣かないで……泣いちゃ、駄目。ね、あなたのお母さまのぶんとも、わたしは守ります」

「うん、守ってね。僕を守っていてね。いつでも僕のそばにいてね」

修治さんが可哀想で可哀想で、みんながなぜ、もっと、もっと大事にしてあげないのだろう。

神様、わたしの命をおとりになってもかまいません。どうぞ修治さんを救ってあげて下さいませ。あのかたの幸せのためなら、わたしはどんなことでもいたします。お願いします。お願いします。神様――

一月十一日

「僕、ほんとうに、死ぬよ」

…………

…………

直治は、ね、「僕は素面で死ぬんです」と私、「僕は素面で死ぬよ……泣かせるない」と、修治さん。

死ぬことは、少しも怖くありません。

ただ、作家としての太宰さんの腕が惜しいのです。そのために少しでも永く生きていていただきたいのです。

あのかたの作品を読んで元気づけられ、生きているたくさんの人達のために、生きていていただきたいのです。