Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あめのたまがわしんじゅう

雨の玉川心中

山崎 富栄

Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

あなたに、悪いとこなんて、一つもありはしませんわ」

修治さんは可哀想です。結核なんて病気を、神様は……。

「君は、惜しいよ。僕には、君を死なすなんて惜しいよ」

「いいえ、あなたこそ、私にはもったいないおひとです。すみません。御免なさい。御一緒につれていって下さいね」

「一緒に死んでくれる!」

「ありがとう。とみえ、随分苦労かけたね。あの世というものを、僕は信じないけれど、もしあったら、君をもっと大切にするよ。どこへでも連れて歩くよ。可哀想だなあ」

「ううん、可哀想だなんて、あなたこそ。あなたのようないいひとなんて、もういないのに。い(死)く日をきめて下さい。用意しておきます」

「誰かにまた手紙をもたせてよこすよ。部屋をきれいにしてね」

うなずいて、二人で嗚咽してしまう。

私と一緒なら、お酒も、煙草もやめて、もっと、もっといいものを書くんだがなあ、と仰言った修治さん。

誰も僕達がこれほど好き合っているなんて、知らねえだろうなあ、と仰言った修治さん。

十年前に逢いたかったなあ、と仰言った修治さん。

先輩の方がみえても、別れるのは、やだよ、と仰言ってくださった修治さん。