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Japanische Klassiker mit Furigana

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わらわのはんせいがい

妾の半生涯

福田 英子

Lesen Sie 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) von 福田 英子 (ふくだひでこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.051 Zeichen · 122 Bildschirme

Aozora Bunko

苦悶はいよいよ勝るのみ、されど、妾強ちにこれを忘れんことを願わず、否昔懐かしの想いは、その一字に一行に苦悩と共に弥増すなり。懐かしや、わが苦悶の回顧。

顧えば女性の身の自ら揣らず、年少くして民権自由の声に狂し、行途の蹉跌再三再四、漸く後の半生を家庭に托するを得たりしかど、一家の計いまだ成らざるに、身は早く寡となりぬ。人の世のあじきなさ、しみじみと骨にも透るばかりなり。もし妾のために同情の一掬を注がるるものあらば、そはまた世の不幸なる人ならずばあらじ。

妾が過ぎ来し方は蹉跌の上の蹉跌なりき。されど妾は常に戦えり、蹉跌のためにかつて一度も怯みし事なし。過去のみといわず、現在のみといわず、妾が血管に血の流るる限りは、未来においても妾はなお戦わん。妾が天職は戦いにあり、人道の罪悪と戦うにあり。この天職を自覚すればこそ、回顧の苦悶、苦悶の昔も懐かしくは思うなれ。

妾の懺悔、懺悔の苦悶これを愈すの道は、ただただ苦悶にあり。妾が天職によりて、世と己れとの罪悪と戦うにあり。

先に政権の独占を憤れる民権自由の叫びに狂せし妾は、今は赤心資本の独占に抗して、不幸なる貧者の救済に傾けるなり。