Japanische Klassiker mit Furigana
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わらわのはんせいがい
妾の半生涯
福田 英子
Lesen Sie 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) von 福田 英子 (ふくだひでこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.051 Zeichen · 122 Bildschirme
七 髪結洗濯
処あり、いざさらば地方に遊説して、国民の元気を興さんとて、坂崎氏には一片の謝状を遺して、妾と共に神奈川地方に奔りぬ。実に明治十八年の春なり。両人神奈川県荻野町に着し、その地の有志荻野氏および天野氏の尽力によりて、同志を集め、結局醵金して重井(変名)、葉石等志士の運動を助けんと企てしかど、その額余りに少なかりしかば、女史は落胆して、この上は郷里の兄上を説き若干を出金せしめんとて、ただ一人帰郷の途に就きぬ、旅費は両人の衣類を典して調えしなりけり。
七 髪結洗濯
女史と相別れし後、妾は土倉氏の学資を受くるの資格なきことを自覚し、職業に貴賤なし、均しく皆神聖なり、身には襤褸を纏うとも心に錦の美を飾りつつ、姑らく自活の道を立て、やがて霹靂一声、世を轟かす事業を遂げて見せばやと、ある時は髪結となり、ある時は洗濯屋、またある時は仕立物屋ともなりぬ。広き都に知る人なき心易さは、なかなかに自活の業の苦しくもまた楽しかりしぞや。かくて三旬ばかりも過ぎぬれど、女史よりの消息なし。さては人の心の頼めなきことよなど案じ煩いつつ、居て待たんよりは、むしろ行きて見るに若かずと、これを葉石氏に議りしに、心変りならば行くも詮なし、さなくばおるも消息のなからんやという。