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Japanische Klassiker mit Furigana

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わらわのはんせいがい

妾の半生涯

福田 英子

Lesen Sie 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) von 福田 英子 (ふくだひでこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.051 Zeichen · 122 Bildschirme

Aozora Bunko

七 理想の夫

七 理想の夫

かくの如く男らしき妾の発達は早かりしかど、女としての妾は、極めて晩き方なりき。但し女としては早晩夫を持つべきはずの者なれば、もし妾にして、夫を撰ぶの時機来らば、威名赫々の英傑に配すべしとは、これより先、既に妾の胸に抱かれし理想なりしかど、素より世間見ずの小天地に棲息しては、鳥なき里の蝙蝠とは知らんようなく、これこそ天下の豪傑なれと信じ込みて、最初は師としてその人より自由民権の説を聴き、敬慕の念漸く長じて、卒然夫婦の契約をなしたりしは葉石なり。されどいまだ「ホーム」を形造るべき境遇ならねば、父母兄弟にその意志を語りて、他日の参考に供し、自分らはひたすら国家のために尽瘁せん事を誓いおりしに、図らずも妾が自活の途たる学舎は停止せられて、東上するの不幸に陥り、なお右の如き種々の計画に与りて、ほとんど一身を犠牲となし、果は身の置き所なき有様とさえなりてよりは、朝夕の糊口の途に苦しみつつ、他の壮士らが重井、葉石らの助力を仰ぎしにも似ず、妾は髪結洗濯を業として、とにもかくにも露の生命を繋ぐほどに、朝鮮の事件始まりて、長崎に至る途すがら、妾と夫婦の契約をなしたる葉石は、いうまでもなく、妻子眷属を国許に遺し置きたる人々さえ、様々の口実を設けては賤妓を弄ぶを恥とせず、終には磯山の如き、破廉恥の所為を敢えてする