Japanische Klassiker mit Furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
あたにお別れしてからの私は、お墓参りが何よりの楽しみでございましたが、矢張り寿命と見えて、直にお後を慕うことになりました。一時の間こそ随分くやしいとも、悲しいとも思いましたが、近頃は、ドーやらあきらめがつきました。そして思いがけない今日のお目通り、こんなうれしい事はございませぬ……。』
かれこれと語り合っている中にも、お互の心は次第次第に融け合って、さながらあの思出多き三浦の館で、主人と呼び、妻と呼ばれて、楽しく起居を偕にした時代の現世らしい気分が復活して来たのでした。
『いつまで立話しでもなかろう。その辺に腰でもかけるとしようか。』
『ほんにそうでございました。丁度ここに手頃の腰掛けがございます。』
私達は三尺ほど隔てて、右と左に並んでいる、木の切株に腰をおろしました。そこは監督の神様達もお気をきかせて、あちらを向いて、素知らぬ顔をして居られました。
対話はそれからそれへとだんだん滑かになりました。
『あなたは生前と少しもお変りがないばかりか、却って少しお若くなりはしませぬか。』
『まさかそうでもあるまいが、しかしこちらへ来てから何年経っても年齢を取らないというところが不思議じゃ。