Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
二十九、身上話
』と良人は打笑い、『それにしてもそなたは些と老けたように思うが……。』
『あなたとお別れしてから、いろいろ苦労をしましたので、自然窶が出たのでございましょう。』
『それは大へん気の毒なことであった。が、斯うなっては最早苦労のしようもないから、その中自然元気が出て来るであろう。早くそうなってもらいたい。』
『承知致しました。みっちり修行を積んで、昔よりも若々しくなってお目にかけます……。』
さして取りとめのない事柄でも、斯うして親しく語り合って居りますと、私達の間には言うに言われぬ楽しさがこみ上げて来るのでした。
二十九、身上話
ここで一つ変っているのは、私達が殆んど少しも現世時代の思い出話をしなかったことで、若しひょっとそれを行ろうとすると、何やら口が填って了うように感じられるのでした。
で、自然私達の対話は死んでから後の事柄に限られることになりました。私が真先きに訊いたのは良人の死後の自覚の模様でした。――
『あなたがこちらでお気がつかれた時はどんな塩梅でございましたか?』
『俺は実はそなたの声で眼を覚ましたのじゃ。』と良人はじっと私を見守り乍らポツリポツリ語り出しました。