Japanische Klassiker mit Furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
三十四、破れた恋
一度は、敦子さまと連れ立ちて、城跡の、あの良人の墓に詣でたことがございましたが、その道すがら敦子さまが言われたことは今も私の記憶に残って居ります。――
『一たい恋しい人と別れるのに、生別れと死別れとではどちらがつらいものでしょうか……。事によると生別れの方がつらくはないでしょうか……。あなたの現在のお身上もお察し致しますが、少しは私の身の上も察してくださいませ。私は一つの生きた屍、ただ一人の可愛い子供があるばかりに、やっとこの世に生きていられるのです。若しもあの子供がなかったら、私などは夙の昔に……。』
現世に於ける私と敦子さまとの関係は大体こんなところでお判りかと存じます。
三十四、破れた恋
それから程経て、敦子さまが死んだこと丈は何かの機会に私に判りました。が、その時はそう深くも心にとめず、いつか逢えるであろう位に軽く考えていたのでした。それより又何年経ちましたか、或る日私が統一の修行を終えて、戸外に出て、四辺の景色を眺めて居りますと、私の守護霊……この時は指導役のお爺さんでなく、私の守護霊から、私に通信がありました。『ある一人の女性が今あなたを訪ねてまいります。