Japanische Klassiker mit Furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
標本として私はそれ等の中で少し毛色の異ったものの人相書を申上げて置くことにいたしましょう。
梅の精の次ぎに私が目をとめたのは、松の精で、男松は男の姿、女松は女の姿、どちらも中年者でございました。梅の精よりかも遥かに威厳があり、何所やらどっしりと、きかぬ気性を具えているようでございました。しかし、その大さは矢張り五寸許、蒼味がかった茶っぽい唐服を着て、そしてきれいな羽根を生やして居るのでした。
松や梅の精に比べると竹の精はずっと痩ぎすで、何やら少し貧相らしく見えましたが、しかし性質はこれが一番穏和しいようでございました。で、若し松竹梅と三つ並べて見たら、強いのと弱いのとの両極端が松と竹とで、梅はその中間に位して居るようでございます。
それから菫、蒲公英、桔梗、女郎花、菊……一年生の草花の精は、何れも皆小供の姿をしたものばかり、形態は小柄で、眼のさめるような色模様の衣裳をつけて居りました。それ等が大きな群を作って、大空狭しと乱れ飛ぶところは、とても地上では見られぬ光景でございます。中でどれが一番きれいかと仰っしゃるか……さあ草花の精の中では矢張り菊の精が一番品位がよく、一番巾をきかしているようでございました……。