Japanische Klassiker mit Furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
母親が大へん縹緻よしなので、娘もそれに似て鄙に稀なる美人、又才気もはじけて居り、婦女の道一と通りは申分なく仕込まれて居りました。此が年頃になったのでございますから、縁談の口は諸方から雨の降るようにかかりましたが、俚諺にも帯に短かし襷に長しとやら、なかなか思う壺にはまったのがないのでございました。
すると或る時、鎌倉のある所に、能狂言の催しがありまして、親子三人連れでその見物に出掛けました折、不図間近の席に人品の賎しからぬ若者を見かけました。『これなら娘の婿として恥かしくない……。』両親の方では早くもそれに目星をつけ、それとなく言葉をかけたりしました。娘の方でも、まんざら悪い気持もしないのでした。
それから早速人を依んで、だんだん先方の身元を査べて見ると、生憎男の方も一人息子で、とても養子には行かれない身分なのでした。これには双方とも大へんに困り抜き、何とか良い工夫はないものかと、いろいろ相談を重ねましたが、もともと男の方でも女が気に入って居り、又女の方でも男が好きだったものでございますので、最後に、『二人の間に子供ができたらそれを与る』という約束が成り立ちまして、とうとう黄道吉日を選んでめでたく婿入りということになったのでした。