Japanische Klassiker mit Furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
夫婦仲は至って円満で、双方の親達も大そう悦こびました。これで間もなく懐胎って、男の児でも生れれば、何のことはないのでございますが、そこがままならぬ浮世の習いで、一年経っても、二年過ぎても、三年が暮れても、ドウしても小供が生れないので、婿の実家の方ではそろそろあせり出しました。『この分で行けば家名は断絶する……。』――そう言って騒ぐのでした。が、三年ではまだ判らないというので、更に二年ほど待つことになりましたが、しかしそれが過ぎても、矢張り懐胎の気配もないので、とうとう実家では我慢がし切れず、止むを得ないから離縁して帰ってもらいたい、ということになって了いました。
二人の仲はとても濃かで、別れる気などは更になかったのでございますが、その頃は何よりも血筋を重んずる時代でございましたから、お婿さんは無理無理、あたかも生木を裂くようにして、実家へ連れ戻されて了ったのでした。今日の方々は随分無理解な仕打と御思いになるか存じませぬが、往時はよくこんな事があったものでございまして……。
兎に角斯うして飽きも飽かれもせぬ仲を割かれた娘の、その後の歎きと言ったら又格別でございました。