Japanische Klassiker mit Furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
モー少し光明が射してくれると良いのだが……。』
私は少し枕から頭部を擡げて、覚束ない眼つきをして、あちこち見したのでございます。最初は、何やら濛気でもかかっているようで、物のけじめも判りかねましたが、その中不図何所からともなしに、一条の光明が射し込んで来ると同時に、自分の置かれている所が、一つの大きな洞穴――岩屋の内部であることに気づきました。私は、少なからずびっくりしました。――
『オヤオヤ! 私は不思議な所に居る……私は夢を見ているのかしら……それとも爰は私の墓場かしら……。』
私は全く途方に暮れ、泣くにも泣かれないような気持で、ひしと枕に噛りつくより外に詮術もないのでした。
その時不意に私の枕辺近くお姿を現わして、いろいろと難有い慰めのお言葉をかけ、又何くれと詳しい説明をしてくだされたのは、例の私の指導役の神様でした。痒い所へ手が届くと申しましょうか、神様の方では、いつもチャーンとこちらの胸の中を見すかしていて、時と場合にぴったり当てはまった事を説ききかせてくださるのでございますから、どんなに判りの悪い者でも最後にはおとなしく耳を傾けることになって了います。