Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やまをおもう

山を思う

石川 欣一

Lesen Sie 山を思う (やまをおもう) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.814 Zeichen · 157 Bildschirme

Aozora Bunko

幸にして今迄一度も僕の自動車が衝突したり、人を轢いたりしたことが無いから、そんな風に心配を抱きはしないが、万一運転中の運転手が、突然目をまわしたり、心臓麻痺を起したりしたら、どんなことになるだろうとは、しょっ中考えている。

いう迄でもないが新宿から行くと、麹町三丁目から傾斜して半蔵門にいたり、あすこを直角に曲ると三宅坂まで、かなり急な坂である。麹町三丁目あたりでウンといったら、果してどうなるだろう。更に半蔵門を曲った所でそんな事変が起ったら、バスよ、汝は何処へ行く? である。乗客中に自動車の操縦を知っている人があれば無事である。車掌がかゝるエマージェンシイに処する知識を持っていれば、これは結構である。さもなくば大変な結果になるにきまっている。こんな事を考えているので、数日前夢を見た。僕がバスのハンドルを握って、文字通り夢中でそれを廻しているのである。ハンドルを右へ廻せば車体も右へ廻る。が、廻しきりでは理論上、車体は円を描いて了うから、一度方向が変ったら、すぐ元へもどさねばならぬ。これは僕も知っていた。然し止めようを知らぬ。右の方に二三本出ている棒を、いくら押しても引張っても、何のききめも無い。