Japanische Klassiker mit Furigana
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
Lesen Sie 山を思う (やまをおもう) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.814 Zeichen · 157 Bildschirme
一二
如何に太陽の黒点が活躍しなかった頃とはいえ、これ程日本がよかっとも思われない。日本が好きで、万事に同情を持って日本を見たから、このようなことに成ったのであろう。何にしてもうれしい話である。
日本人で外国へ行き、一から十まで外国をいゝと思う人とまるで外国をけなす人と、両方ある。が、それ等のどちらもが一致するのは、外国、殊に米国の辻便所その他に、楽書が無いということである。
僕の経験によっても、それは事実だ。便所の壁が、多くはツルツルしたタイル張りで、楽書が出来ぬというのも事実である。
ペンシルヴェニア鉄道でニュー・ジャーシイの首府トレントンへ行くと、この都のはずれに短いトンネルがあるが、そのトンネルの内部の楽書は、ひどく猥雑なものである。楽書は勿論他所にも沢山あるが、こゝは日本の旅行家が通るところだから、一例としてあげる。もっとも今は消したかも知れない。
一二
ある倶楽部で聞いた話――。東京の社交界、ことにダンス場や高級な西洋料理屋の常連から、クイーンと呼ばれていた若夫人が、三度目兼最後に働いた不義の相手は、活動写真の監督だか俳優だかであった。三度目が最後になったというのは、旦那様に見つかって離縁になったからである。