Japanische Klassiker mit Furigana
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
Lesen Sie 山を思う (やまをおもう) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.814 Zeichen · 157 Bildschirme
といったら、居合わせた一人が「君、あれは本当にいゝのかい」といゝ、他の一人は「あいつは、値段の割にうまくないや」といった。僕は映画の話をしかけていたのである。これだから話が面倒になるが、映画「キング・オブ・キングス」は、恐しく大がかりで、そして、同名のウィスキーみたいに、値段の割にうまくなく、同名の薬みたいに、本当にいゝのかどうか判らぬ。よしんば本当にいゝにしても、いさゝか「大がかりさ」に圧迫された気味である。
これの試写を見ていて僕は、しきりにオーバアマガウの受難劇を思った。あれは純真であり素朴である。中央の舞台の左右の翼には、本当の窓が明いていて、そこからは初夏の丘が見え燕が出たり入ったりした。僕はまた外国へ行き度くなって来た。考えると、二度目の外遊を終えて帰ってから、まる六年になる。何も外国がいゝとは思わぬが、バイエルンの初夏や、スコットランドの晩秋には、忘れられぬことが多い。スカンジナヴィヤやスペインはまだ知らぬ。だがその時と違って、今では家庭を持ち、今度の所得税は子供三人いるから三百円控除して貰えるぞ、なんて思っている僕である。これでは行ったとこで、暑さ寒さにつけて子供のことを心配し、神経衰弱になるかも知れない。