Japanische Klassiker mit Furigana
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
Lesen Sie 山を思う (やまをおもう) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.814 Zeichen · 157 Bildschirme
明治十八年竣工、北白川宮の台臨を仰いで開道式を行ったが、前にも書いた雪崩で間もなく駄目になった。一方、依然として清水越に鉄道を敷く計画はあり、岡村貢氏等は会社を起しさえしたが、遂に実現に至らず、そのまゝになっていた。今度の鉄道省のプランが、岡村氏のと殆ど同じであるのは興味が深い。
さて法師から三国峠の頂上まで折からの霧雨の中を、何の苦もなく登ったのはよいが、肝心の景色がまるで見えず、おまけに風さえ吹きつのるので、ほんの煙草一服で越後へ入り、割合にいい道を下りて来ると、突然霧がはれて、前山の向うに大きな山が現れた。山の高さからいっても、方向からいっても苗場山(二一四五)に違いないが、こゝから見えたのは恐らく神楽ガ峰(二〇二九)で、主峰は長く美しい尾根の、もっと左にあるのであろう。大きな雪渓、カール状の雪田、今年になって、まだ一度も山に登っていないので、足がムズムズした。
気がつくと目の下に、石を置いた屋根が見える。下りは早い。一里の道をもう浅貝へ来たのである。三股、二居と共に三宿と呼ばれ、信越線開通までも繁昌した部落であるが、今はひどくさびれ、(三十六年六十戸あったのが現在は十八戸になっている)大きな家が夏の日ざしの中にガランと建っている。