Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Lesen Sie 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.586 Zeichen · 348 Bildschirme
能登の長尾村には、昔弘法大師から授かったという煙草の種があって名産になっていた。薩摩の冠岳には蘇我煙草と称して、蘇我馬子と関係づけられていた天然の煙草というものもあった。そういう意外な信仰もあるのである。
ずっと以前瑞西にいた頃に、回教は亜細亜向きの宗教らしいという話をした人がある。耶蘇教は信じてもやがて醒めるが、回教に入った者は出てこないということを謂った。煙草もそうのようだと私は答えたことを覚えている。公認せられたる歴史では、煙草だけは我々は西洋人の後輩だが、心酔の仕方においてはかえって師をしのいでいる。少なくとも西洋の者のせぬことをし言わぬことを言っている。考えてみなければならぬ点だと思う。是も今は昔、或る一人の親族の老女に教えられたのは、煙管で吸っていると時々何とも言えぬくらい、甘くておいしいことがある。それをこの人たちはああ千ぶく目だなと思ったり言ったりしたそうである。阿片は支那においては戦争より大きな事をしているが、始めて白人が是を廈門の駐屯軍へ持ってきたときには、単に煙草のまぜ物として売ったのだそうである。のむという語と吸うという語と、またくゆらすという語との差がここにあるのである。