Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme
半蔵も、浪江も、平次の心持や行状を見て、すっかり信頼し切っているこの頃です。今さら「駄目だった」とは、平次の舌が腐っても言われた義理ではなかったのです。
「半蔵兄い、済まねえが一肌脱いじゃくれまいか」
事件が切迫したある日、平次は思い入った様子で、こう言いました。
「何をやらかしゃいいんだ、親分」
半蔵もさすがに平次の緊張した顔に引入れられて、弥造の拳骨を出して、素直に顎を撫でます。
「兄貴、お嬢さんや、小永井家のために、命を投げ出しちゃくれまいか」
と平次。
「ヘエ――」
「手っ取り早く言えば殺されて貰いたいんだ」
「なんだ、そんな事か、――殺され半蔵と言われている俺だ、自慢じゃねえが、命だけは糸目をつけねえ」
「本当か、兄貴」
「殺されつけているんだ、心配することはねえ」
冗談だか真面目だか分りませんが、ケロリとした顔には思いの外真剣な色が動くようでもあります。
「兄貴のお袋さんと、小永井の旦那は、どうも、滝三郎父子に殺されたに相違ねえが、証拠というものが一つもねえ。町人や百姓なら見込みで縛って、引っ叩く術もあるが、相手は旗本屋敷に住んでいちゃ、冷飯食いでも、まさかそんな手荒なことは出来ない」