Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

去年の暮頃から、御府内の美しい娘が、一人二人ずつ行方不明になります。

最初のうちは駆落が流行るとばかり思い込み、娘を失った親や、若い女房に逃げられた夫は、内々心当りを捜しておりましたが、何の手掛りもないばかりでなく、不思議なことに、行方不明になるのは女だけで、男の方には一人も間違いがありません。

年を越すと、その傾向はますます激しくなって、とうとう毎月三人四人と大量の行方知れずがあるようになりました。

若い美しい女ばかり、声も立てず、形も残さず、描いたものを拭き消すように行方知れずになるのですから、江戸中の不安は募るばかり、そのうち誰ともなく――神隠しだと言い始めると、この宿命的な妖神の悪戯に対して、町人達――わけても美しい娘や女房を持った人々は、本当に顫え上がってしまいました。

そんな馬鹿な事があるものか――と江戸の御用聞手先は、一斉に奮起しましたが、足跡一つ残さず、コトリと音も立てずに、若くて美しい娘達をさらって行く手際は、全く人間業とは思われません。

こうして銭形の平次が登場するまで、江戸の娘達が三十人も姿を隠したでしょう。

「親分、こいつは諦めものかも知れませんよ。