Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme
八
「…………」
「それに、あれは腹の良い男だ、和助と違って――」
「和助とどこが違っているんで? 親分」
「もう一度丸屋へ行ってみよう」
平次はガラッ八を従えて、夜半過ぎの街を、丸屋へ引返しました。通夜があるにしても、家の中が宵とは比べものにならぬほどザワめくのは、青物町の久三郎が、茂七を縛ったためでしょう。
八
「番頭さん、少し訊き残したことがあるが」
「ヘエ」
和助は恐る恐る平次に導かれて、人気のない部屋に入りました。
「他じゃない、番頭さんの配偶――お咲さんは確か、元立派な芸人だったはずだね」
「立派な芸人と申すほどじゃございませんが、若い時分に旅の女役者だったことがあります。三十過ぎて水仕事をするようになってからはあの通り女角力のように肥ってしまいましたが、あれでも若い時がありましたよ、ヘエ」
和助は苦笑いをするのでした。この男の華奢なのに比べて、お咲はまた、あまりにも醜く肥っております。
「もう一つ、これは少し言いにくいことだが、番頭さんはこの一年ばかり、主人のお米さんに可愛がられすぎたようだね」
「…………」
和助は黙って俯向いてしまいました。
「それを見張るつもりで、番頭さんの配偶のお咲さんが、世帯を畳んでこの家へ入り込んで来たのだろう。