Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme
平次とガラッ八は、煙草盆を隔てて、近々と主人の徳七と相対しました。五十二三の名前の通り福徳円満な顔です。
「ちょうど一と月ばかり前のことでございます。お上の御用だからと言って、子刻(十二時)過ぎに表戸を小僧に開けさして入って来た者がございます。臆病窓から見た時は顔を出していたそうですが、中へ入ると頬冠りをしておりました。いきなり十手を出して小僧に喰らわせると、奥へ案内させて、寝ていた私を足蹴にして起し、その日の売溜めと、それから少しばかりの払いの用意に取って置いた金を持って行かれました。いえ、金はほんの十両ばかりでございますが、手代の惣吉が飛出して御近所の方を呼んで来ようとすると、後ろから呼止めて、振り返ったところへ、今盗ったばかりの売溜めの中の、銭を一枚投げられて、左の眼を潰されてしまいました。可哀相に、まだ源助町の眼医者に通っておりますが、もとどおり見えるようにはなりそうにございません」
「それは気の毒だ」
平次もこう言うより外はありません。そこへ番頭は怪我人の惣吉を伴れて来て、左の眼を巻いた白布を取って見せました。腫れは引きましたが、眼の玉は痛々しく潰れて、物の役に立とうとも思われません。