Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme
飛んで来たガラッ八の遠慮のない声を聞くと、平次はさすがに顔を反けました。
「俺が頑張って居さえすりゃ、こんな事がなかったんだ。神田へ帰ったのが一代の不覚さ」
「つまらねえ事を言うな、それより手を貸せ、刃物を捨てて行ったかもわからない」
「刃物なんざ、何だって構やしない。幻の民五郎が匕首へ本名でも書いていりゃ占めたものだが」
「何を、下らない」
平次は取り合いませんでした。梅屋敷から植惣の庭のあたり、藪も溝も、木立も、塀の下も、念入りに見て歩くと、梅屋敷の大根畑の中に、何やら新しい足跡。
「おや」
よく見ると黒い土の間に、キラリと光るものがあります。
土をかき退けるように、掘り出してみると、見事な短刀が一口、柄の鮫がすっかり血に汚れて、刃もひどい血曇りですが、どうしたことか鞘が見当りません。
「あれだ」
紛れもない、昨夜平次が枕元から盗られた短刀。曲者はこれで植惣を害めた後、三つ葉葵を散らした鞘だけは持って帰ったのでしょう。
その間に、お紋の説明を聴いた大塚の重三は、
「よしッ、それじゃ下手人は高木銀次郎とかいう浪人に決った。旗本の食客じゃ始末が悪いが、幻の民五郎の正体と判っちゃ放っておけまい。