Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme
三
「捕物小説の与力や目明かしは、決して賄賂を取らない」とある人はいった。いかにも面白い言葉である。現代の世智辛さに疲れ果てた人が、江戸時代への回顧に、一脈の慰安を感ずるように、毎日眼に触れる収賄贈賄の新聞記事に中毒している人達は、江戸時代の御用聞きの清廉さに、涼風腋下の快感を覚えることであろう。
三
これはすべての探偵小説について考えることであるが、探偵小説又は捕物小説はしばしば人間の猛烈な本能の発動を抑制するための安全弁をなすことである。本能の発展盲動は、多種多様で限りもなく、その動きは猛烈で、容易のことで抑えようはない。これを調節抑制して、社会生活の平衡を保ち得るものは、その人の教養――わけてもたしなみと打算と、想像力だけであるといっても良い。
多くの性格異常者や犯罪者は、想像力を持たないのが普通で、「こうすればああなる」「ああすればこうなる」という推理と想像を欠くために、少しばかりの金の欲しさや、一時の慾望の衝動に駆られて、とんでもない事件を惹き起こすのである。最近当局が売春婦狩りをして、一人一人について調べた結果、彼女等の七八十パーセントまでは、花柳病に対する知識がなく、病毒の危険に対して、全く無関心であったといわれている。