Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme
伊勢屋新六は江戸の札差でも町人に違いはなく、まさか、金屏風をめぐらし、椎茸髱の腰元に餌をつけさせるような事はしませんが、番頭手代から、芸妓幇間を引つれ、白粉臭い生きた屏風に取巻かれて一本百両の竿に、高尾、小紫の生毛をつけ、竪川の――その頃はよく澄んでいた水に、ポンと針を投って、金煙管を脂下がりに啣えたことに何の変りもありません。
それが、薄暮の水の中に、河童と覚しき怪物に引込まれ、二の橋から迎えに来た船頭文次の船に、漁師の伊太郎の手で引上げられたのは、ほんの煙草二三服の後でしたが、頸筋を深々と刺されて、もう虫の息になっていたというのです。
銭形の平次が竪川の材木置場に駆け付けたのは、戌刻半(九時)そこそこ、思いの外の成績ですが、それでも、ガラッ八よりは四半刻近くも遅れました。
「親分、――掛り合いの人間を、庵寺の中へ一と纏めにしておきましたよ」
ガラッ八はそれを迎えて、猟犬のような鼻を蠢かします。
「それはいい塩梅だ――髪の毛は?」
「一人も濡れたのなんかありません」
「じゃ、やっぱり河童の仕業かな」
「冗談で、――親分」
「まア、いい、――気の毒だが、掛り合いの人達に、因果を含めて、その庵寺から出ないようにしてくれ。