Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme
平次は雇人達を一とわたり見廻すと、若い手代の福三郎に案内されて、六畳の仏間に通りました。
顔へ掛けた巾を取ると、荒縄で喉笛を絞め上げられた、番頭正次郎の顔は、二た眼とは見られない凄まじいものです。
「お前さんは?」
「あの、徳と申します」
丸ぽちゃの快活そうな娘は、大して臆れた色もなく、死体の番をしているのでした。
「男達が寄り付かないのに、親切なことだね、――変死人は気味の好いものではないが」
平次はこの親切で明るい娘を勇気付けるように、こんな事を言っております。
「でも、正次郎さんには、お世話になりましたし、男の方は外に用事もあることですから」
ともすれば愛嬌八重歯が漏れて、頬へ靨の寄るのを、場所柄必死と噛み殺しているといった肌合の娘です。年は少し取って、厄――どうかしたら、二十歳を越しているのかもわかりません。
「八、見るがいい」
平次は死体の頸から切り離して、そのまま肩のあたりに掛けてある荒縄を指しました。
「船具の縄だね、親分」
下手人の当りもこんなところから付くでしょう。ガラッ八は尖鋭なカンを働かせるつもりで、頻りに鼻をヒョコつかせております。