Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
五
「誰だ、そいつは?」
「彦徳ですよ。――彦徳の面を冠っているんだ」
「フーム」
「それから取っ組み合いが始まったが、恐ろしく強い野郎で、その上匕首を持ってやがる。切尖を除けるはずみに、鼠坂を逆落しだ」
「お前が落ちたのか」
「正にあっしで。相手は坂の上で笑っていましたよ」
八五郎はさんざんの体を隠すところもなく話して、あちこちの擦り剥きや打撲を擦っているのです。
五
関口の太助の子分と、平次の子分たちに調べさした神津家のいろいろの事が、次第に手元に集まって来ました。
それによると、神津右京は召使のお江野を妾に直して、同役や上役からとかくの非難を受けましたが、人間はまことによく出来た人で、それだけにまた出世も遅く、家柄や石高に似ず、長いあいだ無役で貧乏に暮しております。
お江野は下賤に育った女ですが、心掛けはともかく不思議に賢い性で、二千五百石取の奥様に直しても少しも可笑しくはない女です。継子の吉弥にもよく、内外の噂はそんなに悪くありません。
妹のお鳥は、もと見世物小屋にもいたことがあり、一度は亭主も持ったそうですが、喧嘩別れをして姉のところへ転げ込んだほどで愛嬌もあり人付きは滅法良い方ですが、何かしら評判のよくないところがありました。