Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
二
「何かといううちに、巣鴨ですね、親分」
「四方が少し騒がしいようだな、また何か始まったかな」
「おや、庚申塚の泰道が飛んで行きますよ」
田圃道を飛んで行く坊主頭を、八五郎は指しました。それは全く唯事じゃありません。
二
巣鴨の井筒屋は、上を下への騒ぎでした。こんどは井筒屋の心棒とも言うべき若主人の重太郎が、十日前に死んだ父親重兵衛と全く同じ症状で、たった今急死したというのです。
番頭金之助、妹のお浪をはじめ、家中の者が重太郎の死骸を取巻いて、泣く、わめくの騒ぎですが、わけても気の毒なのは若い嫁のお弓で、冷たくなった夫重太郎に取縋って、まことに正体もない有様でした。
駆け付けた庚申塚の泰道も、もはや手の下しようはありません。いちおう眼瞼の内側と口の中を改め、手鏡を鼻へ当てたり、心の臓へ耳を当てたり型通りの事をした後、「お気の毒様」と一礼してこそこそと引下がります。
「ちょいと待って貰いたいが、泰道先生」
ガラッ八は隣の部屋からその袖を引かぬばかりに呼止めました。
「ハイ、お前さんはどなたじゃ」
泰道はようやく威厳を取戻して立ち止まります。
「銭形の親分が、ちょいと訊きたいことがあるそうだ。