Japanische Klassiker mit Furigana
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あめのたまがわしんじゅう
雨の玉川心中
山崎 富栄
Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme
六月十七日
六月二十三日
貴方を知らないでいたのなら、もう、ずっと昔に、三鷹を離れておりましたものを。貴方の知らない苦しみを味わって……。
六月十七日
一時間半も待ったという御言葉を楽しくきいて席についたのに、
「別れよう――」
と仰言る。
「何故ですか、私に何か気に入らないところがありまして?」
「いや、そうじゃないよ。君のお母さんを見ちゃったんだもの、年寄りって衿に白い布をつけてるね、見ちゃったんだもの。僕に、母がないからかも分からないけど、お母さんからとっちゃうんだものな、君を。可哀想だよ」「年寄りって、結局は物質的に豊かであれはいいんですよ。私に死に水をとってもらいたいと思っているんでしょう」
「僕も一緒にとるよ。ごめんね、もう放さないよ。いい?」
優しい御言葉。これほどのことを言って下さる人が、ほかにあるだろうか!
六月二十三日
ふっと思い出しては、初めから何度でも読み返してみて、また読み返してみる。
なつかしい思いのしてならない人。修治さん。つらくて、苦しくて、もう息もできないと思うことが幾度でもあるの。肉体が一致したからなんて、そんなんじゃないわ。あなたの持っているノーブルなもの、慈しみ深いものなど、それだけでもない。