Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あめのたまがわしんじゅう

雨の玉川心中

山崎 富栄

Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

「いい人なんて、結婚する相手なんて、あなたより他にいやしないのに」

泣いて、泣いて、泣いてしまう。

「ごめんね。僕はつらいんだよ。別れている間が――。どうして君と一緒にいると、安心なんだろうなあ。不思議だなあ」「……」

「ね、色恋なんていうんじゃなくて、何か、同じもので結ばれているというところがあるね。僕の内臓の一部分のような気がするんだ。だから、いつでもそばにいてくれないと苦しいんだよ」

「ウン、同じ血が流れているような気がするの。妹でもいいから、津島家へ生まれてきたかったなあ」

「君の、そのウン、ていうの大好き。あばたもえくぼだ」

「サッチャんに惚れちゃった」「いやいや、また始まる……」

太宰さんを待って、嫁がずにいられる女の方のお話も再度耳にした。女の方が御気の毒で涙が出る。二人で随分泣いてしまう。私達二人とも、いままで人の前なぞ、泣顔をみせたこともないのに。そして自分達の苦しみごとなども。

何故こう私達は悲しいのだろう。泣いた。泣いた。

「私、別にお知らせ致しませんけど、先に逝きます」

「駄目よ駄目よそんな」

しっかり抱き合って、あなたが死ぬなら私も死ぬ。