Japanische Klassiker mit Furigana
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あめのたまがわしんじゅう
雨の玉川心中
山崎 富栄
Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme
あまり残念なので、表の方からも入ってみましたの。一寸、体がふるえました。窓も、お玄関も閉まっていました。万一悪化でもなさって御入院なさってしまったのかとも考え、それにしても、そのときには誰かを通じてお知らせくらいのことはあろうからと、考え直し、店へ参りました。
黄村先生言行録を、また読み返しています。四月、太宰さんの本を初めて求めたころは、御向いにいらっしゃることなどが頭に入っていて、いま読み返してみると随分素通りして読んでしまったと思いました。
十二日までの永い間、一冊ずつ深くみていきます。本当に十二日にはおいで下さいますね。お体が悪化していらっしゃっても、用意してお待ちいたしております。
シゲ女が店を開きました。このごろは誰をみても厭、いや、あなたが悪いのよ。お逢いできないんですもの。
「元から頬が削げていたのが一層削げて、顴骨ばかり尖り、ゲッソリ陥込む眼窩の底に勢いも力もない充血した眼球が曇りと濁った光を含めて何処か淋しそうな笑みを浮かべて……」
八時ごろ、野原さんが見える。
“誰も二階へ上げるなよ”
“ええ、お留守中は誰も上げません”
そう申したのですけど、きっと、太宰さんからの帰り道に違いないと思われたのでお上げする。