Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あめのたまがわしんじゅう

雨の玉川心中

山崎 富栄

Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

十一月三十日

十二月一日

微風にさえも向かえないような、やるせない感じでした。可哀想で、情けなくて、男の友達のように、オイ君、大丈夫かい、と肩を叩いたら、泣き出してしまわれるような、心細い寂しさが私を掩ってしまいました。

セハランチンの注射液がおありになるとかなので、太宰さんを愛している大勢の男のひとのために、大勢の女のひとのために、一日でも早く養生して、注射してみて下さるよう御願いする。

決定的に自分の体はもう駄目だと思っていられるけど、そんなこと分かりませんわ。自らを愛してこそ、ひとも愛せるものではないでしょうか。

滅私奉公なんて、第一自分がなくてはできませんもの。

頑張って下さい。修ちゃんの命は私が預かっているのですけど、私の命は、修ちゃんに預かっていただいているのですもの。

十一月三十日

父から返事が来た。

*

*

*

修治様

私が狂気したら殺して下さい。

薬は、青いトランクの中にあります。

十一月三十日富栄

十二月一日

健康ということには、どうも、一つの無知が加わっているように思われるのだけど。

――治る、治らないのは問題じゃない。