Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あめのたまがわしんじゅう

雨の玉川心中

山崎 富栄

Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

一月十二日

一月十三日

「僕の晩年は、君に逢えて幸せだったよ」

と仰言ったおことばのためにも、もっと、もっと、喜んでいただきたかった。

一月十二日

複雑なのです。

あまりにも複雑なのです。

いいひと。弱いお方なので問題が重すぎるのです。

斜陽のひとからの手紙。

あの最後の御手紙は一番下手なお便りでした。二人の意見なのです。

織田作未亡人のこと。

おふとんも上げず、お茶碗ひとつ洗わぬお方とか。女だったら……。

いろいろな問題のこと、一体どうしようかと二人で考え悩みました。

奥様にはこうしたことで御心配をおかけしたくなかったのです。

夕方、野原さんがおみえになりました。

一月十三日

御病気のほうも、思わしくなくて、今日も、やっぱり床に、つかれたまま、お食事も、わずかばかりで、ほんとうに心配です。

馬鈴薯のポタージュ、パン。それに、喜んでいただけたのは果物のぢゃぼん(ざぼん?)でした。

「良くあったね。とてもうれしかったよ」

「お好きだって言っていらしたでしょう。丁度あったので、買って参りましたわ」

お目ざめになってから一つ皮をむいて召し上がる。

「餅がくいてえなあ」

「買ってまいりましょう」