Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あめのたまがわしんじゅう

雨の玉川心中

山崎 富栄

Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

三月八日

三月九日

どうも、どうも、山の上だけあって全く「登る」です。桜井兵五郎の別荘だったのを、旅館にした由なので、ちょっと不便に思われるところもある、今度の旅行は、古田さんに一人ぶんの御迷惑をおかけしていて申し訳ないと思っている。

海岸通りの本館から支配人の吉田さんがみえてひとしきりにぎわう。

三月八日

今日は帰ると仰言っていられたので御見送り方々下へおりる。「常春」で美味しい(私には少し濃すぎる)コーヒーを飲み、ウィスキーを召され、私達だけ山へ帰る。古田さんは本館へ宿泊の由。夜、石井さん、二重マントを持ってきて一泊。

三月九日

朝、古田さんから御電話あり

「奥さんですか?」

「サッちゃん」

まさか「奥さんですか?」に「はい」などと答えられるものですか。

熱海は暖かいと思いの外、案外、東京と同じ陽気なので、がっかり。

伊豆の方に、ここに来てもらって話をつけようかと思う、と仰言るので、背筋がすうっと寒くなって、力が抜けて、少しふるえ出してしまったけど、一度は逢って話さなければならないと仰言っていられたので同意したことから、波紋を招いて、昨夜(八日夜)は一晩中二人共うつらうつらしたりして、語り明かす。