Japanische Klassiker mit Furigana
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しげき「すいせんともくぎょ」
三好十郎の仕事 別巻
三好 十郎
Lesen Sie 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.145 Zeichen · 440 Bildschirme
ただ、秋の半ばの水気のなくなった草の中に、春子という人の石の墓、それから、それと直ぐわきに並びもしないで、二間ばかりも離れた所に、金太郎君が建てたという金吾老人の墓が静まり返っているだけでした。
音楽
……それは私が金吾老人のことを聞きに、最後にそこへ行った時のことで、これでいよいよ東京へ帰るというので、スッカリ帰り仕度をしてから、金太郎君の家を辞し、お別れにもう一度と思って、金太郎君とジョンといっしょにお墓参りに寄った時のことです。その足で私は野辺山の駅へ出て汽車で帰って来たのですが……
金太郎君の話では金吾老人がその時「なあに四、五年もたてば、こんな石ころなんず草の下に埋まってしまって誰も気がつかなくならあ」と言ったそうですが、そうです、この私にしても一度東京へ帰れば、もう再びこの二つの墓に参る折もないだろうと思いながら、別にかけてあげる水も無いままに、その墓石にソッとさわってみました。秋の陽を浴びた石は、いくらかぬくもりを保ちながら、しかし底の方から冷々とつめたい。どういう美しい人であったのか、その春子という人を私は遂に見ないわけです……。金吾老人は終戦の次ぎの年の秋ごろ二三日風邪をひいて寝ているうちに、誰も気が附かぬうちに亡くなっていたそうです。