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Japanische Klassiker mit Furigana

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しげき「すいせんともくぎょ」

三好十郎の仕事 別巻

三好 十郎

Lesen Sie 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.145 Zeichen · 440 Bildschirme

Aozora Bunko

たそがれの東京の町なかへ流れ入る。

流れと共に私も町なかへ入る

川も私も何も考えない、何も感じない

水がだんだん暗くなって来る

私の姿もだんだん黒くなって来る。

どのへんだったか、おぼえがない

しばらく前から聞こえていた足音が近づいて

「おい君、どうしたんだ?」

声に振り向くと、ヨレヨレの復員服と

アカづいて青黒い顔色で明らかに

復員したばかりの男だ

「病気かね?」と言う

答える気にもならず又歩き出すと

うしろからユックリとついて来ながら

「そんなにヒョロヒョロして歩いていると

たおれて川へおっこちるぜ」

それに私は答えなかった、よけいなお世話だと思っている

男は別に怒ったふうでもなく、また、それ以上馴れ馴れしく近づいて来る様子もない、野良犬のうしろから野良犬が歩くように

無関心に、ただなんとなく同じ方向へ歩いて行く

長いこと、どちらからも口はきかない

しばらくして、ゴソゴソと音がするので目をやると

男は雑嚢から何か出してそれを噛みながら歩いている

やがて「よかったら、これ食わないか」といって

コッペパンを一つ鼻の先に突出した

ムカッと嘔吐を感じて私がそれを睨んでいると

男はフフフと笑って

「遠慮しないでいいよ