Japanische Klassiker mit Furigana
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わらわのはんせいがい
妾の半生涯
福田 英子
Lesen Sie 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) von 福田 英子 (ふくだひでこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.051 Zeichen · 122 Bildschirme
などと遠廻しに諷するもありて、諸役人皆妾の一顰一笑を窺えるの観ありしも可笑しからずや。されば女監取締りの如きすら、妾の眷顧を得んとて、私かに食物菓子などを贈るという有様なれば、獄中の生活はなかなか不自由がちの娑婆に優る事数等にて、裁判の事など少しも心に懸らず、覚えずまたも一年ばかりを暮せしが、十九年の十一月頃、ふと風邪に冒され、漸次熱発甚だしく、さては腸窒扶斯病との診断にて、病監に移され、治療怠りなかりしかど、熱気いよいよ強く頗る危篤に陥りしかば、典獄署長らの心配一方ならず、弁護士よりは、保釈を願い出で、なお岡山の両親に病気危篤の旨を打電したりければ、岡山にてはもはや妾を亡きものと覚悟し、電報到着の夜より、親戚故旧打ち寄りて、妾の不運を悲しみ、遺屍引き取りの相談までなせしとの事なりしも、幸いにして幾ほどもなく快方に向かい、数十日を経て漸く本監に帰りたる嬉しさは、今に得も忘られぬ所ぞかし。他の囚人らも妾のために、日夜全快を祈りおりたりしとの事にて、妾の帰監するを見るより、宛然父母の再生を迎うるが如くに喜びくれぬ。これも妾が今も感謝に堪えぬ所なり。不自由なる牢獄にて大患に罹りし事とて、一時全快はなしたるものから、衰弱の度甚だしく、病気よりは疲労にて斃るることもやと心配せしに、これすら漸く回復して、遂には病前