Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こざくらひめものがたり

小桜姫物語

浅野 和三郎

Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme

Aozora Bunko

私がどうやらその後人並みの修行ができて神心が湧いてまいりましたのは、偏に神様のおさとしと、それから私の為めに和やかな思念を送ってくだされた、親しい人達の祈願の賜なのでございます。さもなければ私などはまだなかなか済われる女性ではなかったかも知れませぬ……。

兎にも角にも、落城後の私は女ながらも再挙を図るつもりで、僅ばかりの忠義な従者に護られて、あちこちに身を潜めて居りました。領地内の人民も大へん私に対して親切にかばってくれました。――が、何を申しましても女の細腕、力と頼む一族郎党の数もよくよく残り少なになって了ったのを見ましては、再挙の計劃の到底無益であることが次第次第に判ってまいりました。積もる苦労、重なる失望、ひしひしと骨身にしみる寂しさ……私の躯はだんだん衰弱してまいりました。

幾月かを過す中に、敵の監視もだんだん薄らぎましたので、私は三崎の港から遠くもない、諸磯と申す漁村の方に出てまいりましたが、モーその頃の私には世の中が何やら味気なく感じられて仕ょうがないのでした。

実家の両親は大へんに私の身の上を案じてくれまして、しのびやかに私の仮宅を訪れ、鎌倉へ帰れとすすめてくださるのでした。