Japanische Klassiker mit Furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
『こんなことでは余りにみつともない。今日は面白く語り合わねばならぬ……。』
私は一生懸命、成るべく涙を見せぬように努めましたが、それは母の方でも同様で、そっと涙を拭いては笑顔でかれこれと談話をつづけるのでした。
『あなたはこちらでどんな境地を通って来たのですか?』母は真先きにそう訊ねました。『最初からここではないようにきいて居りますが……。』
『私はこちらで修行場が三度ほどかわりました。最初は岩屋の修行場、そこはなかなか永うございました。その次ぎが山の修行場、その時代に竜宮界その他いろいろの珍らしい所へ連れて行かれ、又良人をはじめ多くの人達にも逢わせていただきました。現在この滝の修行場へ移ってからはまだ幾らにもなりませぬ……。』
『あなたはまあ何という結構な事ばかりして来られたことでしょう※(感嘆符二つ、1-8-75)』と母は心から感心しました。『この母などは岩屋の修行だの、山の修行だのと、そんな変ったことはただの一つもして来はしませぬ。まして竜宮界などと言っては夢にだって見たこともない……。あなたはたしかに特別の御用を有って生れた人に相違ない……。私の指導役の神さまもそんなことを言って居られました……。