Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
問『あなた様は御生前に大そう厚い仏教の信者だったそうでございますが……。』
答『私どもは別に平生厚い仏教の信者というのでもなかったのでございますが、可愛い小供を亡った悲歎のあまり、阿弥陀様にお縋りして、あの娘が早く極楽浄土に行けるようにと、一心不乱にお経を上げたのでございました。こちらの世界の事情が少し判って見ると、それがいかに浅墓な、勝手な考であるかがよく判りますが、あの時分の私達夫婦はまるきり迷いの闇にとざされ、それがわが娘の済われるよすがであると、愚かにも思い込んで居たのでした。――あべこべに私ども夫婦はわが娘の手て済われました。夫婦が毎夜夢の中に続けざまに見るあの神々しい娘の姿……私どもの曇った心の鏡にも、だんだんとまことの神の道が朧気ながら映ってまいり、いつとはなしに御神前で祝詞を上げるようになりました。私どもは全く雛子の小さな手に導かれて神様の御許に近づくことができたのでございます。私がこちらの世界へまいる時にも、真先きに迎えに来てくれたのは矢張りあの娘でございました。その折私は飛び立つ思いで、今行きますよ……と申した事はよく覚えて居りますが、修行未熟の身の悲しさ、それから先きのことはさっぱり判らなくなって了いました。