Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こざくらひめものがたり

小桜姫物語

浅野 和三郎

Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme

Aozora Bunko

いよいよこれから、こちらの世界のお話になりますが、最初はまだ半分足を現世にかけているようなもので、矢張り娑婆臭い、おきき苦しい事実ばかり申上げることになりそうでございます。――ナニその方が人間味があって却って面白いと仰っしゃるか……。御冗談でございましょう。話すものの身になれば、こんな辛い、恥かしいことはないのです……。

これは後で神様からきかされた事でございますが、私は矢張り、自力で自然に眼を覚ましたというよりか、神さまのお力で眼を覚まして戴いたのだそうでございます。その神さまというのは、大国主神様のお指図を受けて、新らしい帰幽者の世話をして下さる方なのでございます。これにつきては後で詳しく申上げますが、兎に角新たに幽界に入ったもので、斯う言った神の神使、西洋で申す天使のお世話に預からないものは一人もございませんので……。

幽界で眼を覚ました瞬間の気分でございますか――それはうっとりと夢でも見ているような気持、そのくせ、何やら心の奥の方で『自分の居る世界はモー異っている……。』と言った、微かな自覚があるのです。四辺は夕暮の色につつまれた、いかにも森閑とした、丁度山寺にでも臥て居るような感じでございます。