Japanische Klassiker mit Furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
その他にもまだいろいろありましょう。母の臨終の際には、私は自力でそれを知ったのでございました。
私はびっくりして早速鎌倉の、あの懐かしい実家へと飛んで行きましたが、モーその時はよくよく臨終が迫って居りまして、母の霊魂はその肉体から半分出たり、入ったりしている最中でございました。人間の眼には、人の臨終というものは、ただ衰弱した一つの肉体に起る、あの悲惨な光景しか映りませぬが、私にはその外にまだいろいろの光景が見えるのでございます。就中一番目立つのは肉体の外に霊魂――つまりあなた方の仰っしゃる幽体が見えますことで……。
御承知でもございましょうが、人間の霊魂というものは、全然肉体と同じような形態をして肉体から離れるのでございます。それは白っぽい、幾分ふわふわしたもので、そして普通は裸体でございます。それが肉体の真上の空中に、同じ姿勢で横臥している光景は、決してあまり見よいものではございませぬ。その頃の私は、もう幾度も経験がありますので、さほどにも思いませんでしたが、初めて人間の臨終に出会た時は、何とまァ変怪なものかしらんと驚いて了いました。
最う一つおかしいのは肉体と幽体との間に紐がついて居ることで、一番太いのが腹と腹とを繋ぐ白い紐で、それは丁度小指位の太さでございます。